大雑把に言えば「中秋の名月」は
「新暦9月に見える満月」と言えますが
厳密には違うようです。
地球から見て太陽と月がまったく同じ方向に
見える瞬間を「新月」と呼び、月齢を0とします。
24時間ごとに1ずつ月齢は増え、
次の新月の時に月齢は0に戻ります。
新月の瞬間を含む日を旧暦では1日、
その翌日を2日、…としましたので、
ほぼ旧暦の日付=月齢+1が成り立ちます。
今年9月5日午後9時(日本時間)に新月になりました。
したがって9月5日は旧暦8月1日で、
今年9月6日(旧暦8月2日)午前9時の月齢は0.5となります。
新聞には通常その日の正午での月齢が書かれるようです。
旧暦8月15日(つまり月齢が14になる瞬間を含む日)の
夜に見られる月を“中秋の名月”と呼びます。
今年は9月19日が中秋の名月になります
(正午の月齢は13.6、午後9時の月齢は14.0です)。
地球から見て太陽と月が180゚反対方向に
見える瞬間を「満月」と呼びます。
新月から次の新月、あるいは満月から次の満月まで
29.53日間かかりますが、月は楕円軌道を回っており
厳密には一定の速さではないため、
新月から満月までの日数は半分の14.8日間より
1日少ないことも1日多いこともあります
(これについては
こちらで検討しています)。
つまり満月の瞬間での月齢は平均すれば14.8ですが、
13.8になることも15.8になることもあるわけです
(ケプラーの法則で速さは決まりますから
地球を半周するのにかかる時間には
上限と下限が存在する筈です)。
新月の瞬間から14.8日後のところに
頂上がある山を想像してみましょう。
新月の瞬間は「新月の日」の0時から23時59分まで
均等に起こる筈ですから、
山の頂上は「新月の日」の0時から見て
14.8~15.8日後に分布するようになります
(山が“分身の術”を使っている感じですね)。
となると、最も満月になる確率が高い日は
新月の日の0時から見て15日後になる筈です。
それで「十五夜」というわけですね。
今年は9月19日午後8時(月齢14)に満月になり、
満月の日と中秋の名月が重なりました。
次回は2021年だそうです。