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掛け順教育について(目次)

40年ほどの歴史を持つ問題になっているようですが
深刻化しているケースがあるらしく
塾講師の私としても他人事ではないので
まとめていきたいと思います。

疑問点が沢山あるため、
本日分は目次のみ掲載します。
1.掛け順教育とは
2.掛け順の根拠
3.交換法則との関係
4.教科書と指導書
5.私が塾の授業中に感じること
今後追記・修正していくこともありえます。

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年11月24日11:05

月が半周する日数

中秋の名月の頃に書いたことに、
ちょっと確信を得られなかったことがあったので
求めてみることにしました。

それは、新月から満月までの時間が
朔望月29.53日の半分より
どれだけ短くなったり長くなったりするのかです。
朔望月については以前のブログをご覧ください。

朔望月について考えるのは大変なので
今回は月が半周するのにかかる時間が
公転周期の半分に対してどれだけ
短くなったり長くなったりするのかを求めて
代用することにします。
(ここでの半周とは「一周の半分」という意味ではなく
「公転の中心となる星から見て正反対の位置に
来る」という意味であるとします)

先日の時計の例えで言うならば
時計の長針と短針が重なってから反対向きに
なるまでの時間を計算するのは大変なので
単純に時計の長針が半周する時間を求める
だけに留めるということです。

ここで、楕円について少し触れておきます。
楕円は「2点F1,F2からの距離の和が等しい点の集合」ですが
この2点F1,F2を「焦点」と呼び
公転の中心となる星は焦点のどちらか一方になります。
楕円には長軸ABと短軸CDがあり、
長軸の長さの半分を「長径」とか「平均半径」と呼びます。
楕円の中心から焦点までの距離の平均半径に対する割合、
つまり、OF1÷OAを「離心率」と呼び、eで表します。
半周するのにかかる時間が最も短くなるのは
ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)から
月が点Eから点Gに移動する時間
つまり、上図1の色付きの部分であると言えます。
この面積が楕円の全面積に対して
どれだけの割合かを調べれば良いわけです。

細かな導出は省略しますが、
図2のように円を使って計算するとやりやすいです。
図2の色付きの部分と半円の面積の差を
近似すると2e/πとなります。

月の場合e=0.055となりますから
公転周期T=27.3日を用いると
月が地球の周りを半周するのにかかる日数の最小値は
公転周期の半分より約1日ほど短いことがわかります。

以上により、先日ブログに書いた内容は
ほぼ正しそうだと言えそうです。

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年11月18日10:01

十三夜(公転周期と朔望月)

日本では、中秋の名月だけでなく
翌月の十三夜も見ないと風流ではないそうです。

十三夜は「満月より少し欠けていて綺麗だから」
という説がよく言われていますが
「月の背景にある星空がほぼ同じになる」
という説があるようです。

時計の長針と短針が出会う間隔は
1時間より少し長くなりますが
満月から満月になるまでの時間が
ちょうどそれに当たります。
これを「朔望月」と言います。
時計の中心=太陽、短針=地球、長針=月というわけです
(短針・長針の長さの関係を逆にして、なおかつ
短針の先を中心に長針が回転しているような
時計を想像すると点と良いでしょう)。

これに対して
短針や長針が一周する時間が「公転周期」です。
月の公転周期は27.3日ですが
中秋の名月からほぼ27.3日経ったのが
今日ということになります。
時計に例えて言うなら、9時49分頃の
短針と長針が重なったときが「中秋の名月」、
その1時間後の10時49分頃が「十三夜」、
その数分後の10時55分頃が満月ということになります。

池の周りを2人がぐるぐる歩く問題を
数学の時間に習ったことでしょうが、
公転周期から朔望月を求めるのにはこれを使います。
月の形なんて生きるのに関係ないかもしれませんが
ちょっと深く知ろうと思ったら
数学とかも必要なんですよね。

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年10月17日21:00

中秋の名月は満月とは限らない

大雑把に言えば「中秋の名月」は
「新暦9月に見える満月」と言えますが
厳密には違うようです。

地球から見て太陽と月がまったく同じ方向に
見える瞬間を「新月」と呼び、月齢を0とします。
24時間ごとに1ずつ月齢は増え、
次の新月の時に月齢は0に戻ります。
新月の瞬間を含む日を旧暦では1日、
その翌日を2日、…としましたので、
ほぼ旧暦の日付=月齢+1が成り立ちます。

今年9月5日午後9時(日本時間)に新月になりました。
したがって9月5日は旧暦8月1日で、
今年9月6日(旧暦8月2日)午前9時の月齢は0.5となります。
新聞には通常その日の正午での月齢が書かれるようです。
旧暦8月15日(つまり月齢が14になる瞬間を含む日)の
夜に見られる月を“中秋の名月”と呼びます。
今年は9月19日が中秋の名月になります
(正午の月齢は13.6、午後9時の月齢は14.0です)。

地球から見て太陽と月が180゚反対方向に
見える瞬間を「満月」と呼びます。
新月から次の新月、あるいは満月から次の満月まで
29.53日間かかりますが、月は楕円軌道を回っており
厳密には一定の速さではないため、
新月から満月までの日数は半分の14.8日間より
1日少ないことも1日多いこともあります
(これについてはこちらで検討しています)。

つまり満月の瞬間での月齢は平均すれば14.8ですが、
13.8になることも15.8になることもあるわけです
(ケプラーの法則で速さは決まりますから
地球を半周するのにかかる時間には
上限と下限が存在する筈です)。

新月の瞬間から14.8日後のところに
頂上がある山を想像してみましょう。
新月の瞬間は「新月の日」の0時から23時59分まで
均等に起こる筈ですから、
山の頂上は「新月の日」の0時から見て
14.8~15.8日後に分布するようになります
(山が“分身の術”を使っている感じですね)。
となると、最も満月になる確率が高い日は
新月の日の0時から見て15日後になる筈です。
それで「十五夜」というわけですね。

今年は9月19日午後8時(月齢14)に満月になり、
満月の日と中秋の名月が重なりました。
次回は2021年だそうです。

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年09月19日22:00

沖縄への修学旅行

英語の過去形・過去分詞について
調べ始めたのがキッカケで
この1年で英語の様々なことを知りました。
最初に躓いたのは音声学的な知識でした。

中高で音声的な知識を扱うことは
ほとんど無いようです。
私もそうでしたが発音記号を読める子は
あまりいないのが証拠と言えるでしょう。
中高の英語教師がどれだけ理解しているのか
疑問にさえ思ってしまいます。
そういうことでネイティブに勝る授業を
しようとか思わないのでしょうか。


最近の高校では修学旅行で沖縄に行くそうです。
沖縄方言では大和言葉の「え」「お」が
「い」「う」に対応しているそうです。
これは英語の“ee”や“oo”を「イー」「ウー」と
読むことと非常に似ているわけです
(大母音遷移なんてたいそうな言葉を使わずとも
「似ている」で説明できる好機なのに)。
これで「沖縄口」が「うちなーぐち」になる
大部分が理解できるでしょう。
次に「き」と「ち」の対応関係にも気付きます。
これは口蓋化といい“ch”を「キ」とも「チ」とも
読む単語が存在することと同じ現象なのですが、
英語の授業の中でこういう話をしておいて
旅行の間に沖縄方言を耳にすることで
印象付けられる生徒は少なくないでしょう。
もしかしたら一生覚えている子もいるかもしれません。
ドイツ語のkindとchildの関係を教えても良いでしょう
(kindergartenという英語もあるのですし)。
そうすることで英語以外の外国語への対応も
できるようになる可能性だって増えるでしょう。

旅行前に浮ついている高校生に
真面目に授業をするよりも
こういうことでも話せば英語にも沖縄にも
関心を持つのではないかと思うのですが
英語教師はいったい何をしているのでしょうね。
私が知らないだけであることを祈りたいです。

こういう知識を得た以上
塾で機会があったら
そういう話を私はしていきたいと思っています。

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年09月16日08:16