Google

2.掛け順の根拠

一部の小学校では
掛け算の文章問題において
立てた式を答えるときに
「1つ分」×「いくつ」の順に書くよう
指導されるようです。

考えてみると、計算結果が仮分数になったら
必ず帯分数に直せというルールがありました。
今は仮分数でも良いとしている小学校もあるようですが
解答の際に体裁を整えるというルールなら
多少は理解できないでもありません。

「2匹のタコの足は何本?」という問題で
式の欄に「2×8」と書くと
2本足のタコが8匹いることになり
×とされるのですが
私が疑問なのはこの順にする根拠です。

掛け順に従って書いてきた人に訊いてみますと
・国内すべての教科書にこの順で書かれている。
・「○○が△△個」という日本語が普通だから。
等のようですが、どうも説得力に欠ける気がします。  

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年11月28日07:51

1.掛け順教育とは

例えば「3羽のウサギがいる。
耳は合わせて何本あるか?」という問題で
「式」の欄に「3×2」と書くと不正解となり、
「2×3」のみが正解になるケースがあるそうです。
おそらくこの授業をされている先生は×にすることでしょう
(2年生で九九を一通り習っていますので
交換法則2×3=3×2は履修済みです)。

掛け算を初めて扱う際に
「1つ分」×「いくつ」の順に書くよう
国内すべての教科書に書かれているのが
その根拠のようです。

先の例では
「耳を3本もつウサギが2羽いる」ことになり
問題の意味を理解できておらず
不正解扱いとするようです。

一般社会において例えばレシートなど
「いくつ」×「1つ分」で書くことも多いので
この採点基準に違和感を抱く人も少なくないでしょう。

子どもがいつも以上に悪い点数を取ってきたのに驚き
いざ実際にテストを見てみると、
掛け順が正しくないために減点されていて
初めて親御さんが気付くケースがあるようです。  

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年11月24日11:19

掛け順教育について(目次)

40年ほどの歴史を持つ問題になっているようですが
深刻化しているケースがあるらしく
塾講師の私としても他人事ではないので
まとめていきたいと思います。

疑問点が沢山あるため、
本日分は目次のみ掲載します。
1.掛け順教育とは
2.掛け順の根拠
3.交換法則との関係
4.教科書と指導書
5.私が塾の授業中に感じること
今後追記・修正していくこともありえます。  

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年11月24日11:05

月が半周する日数

中秋の名月の頃に書いたことに、
ちょっと確信を得られなかったことがあったので
求めてみることにしました。

それは、新月から満月までの時間が
朔望月29.53日の半分より
どれだけ短くなったり長くなったりするのかです。
朔望月については以前のブログをご覧ください。

朔望月について考えるのは大変なので
今回は月が半周するのにかかる時間が
公転周期の半分に対してどれだけ
短くなったり長くなったりするのかを求めて
代用することにします。
(ここでの半周とは「一周の半分」という意味ではなく
「公転の中心となる星から見て正反対の位置に
来る」という意味であるとします)

先日の時計の例えで言うならば
時計の長針と短針が重なってから反対向きに
なるまでの時間を計算するのは大変なので
単純に時計の長針が半周する時間を求める
だけに留めるということです。

ここで、楕円について少し触れておきます。
楕円は「2点F1,F2からの距離の和が等しい点の集合」ですが
この2点F1,F2を「焦点」と呼び
公転の中心となる星は焦点のどちらか一方になります。
楕円には長軸ABと短軸CDがあり、
長軸の長さの半分を「長径」とか「平均半径」と呼びます。
楕円の中心から焦点までの距離の平均半径に対する割合、
つまり、OF1÷OAを「離心率」と呼び、eで表します。
半周するのにかかる時間が最も短くなるのは
ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)から
月が点Eから点Gに移動する時間
つまり、上図1の色付きの部分であると言えます。
この面積が楕円の全面積に対して
どれだけの割合かを調べれば良いわけです。

細かな導出は省略しますが、
図2のように円を使って計算するとやりやすいです。
図2の色付きの部分と半円の面積の差を
近似すると2e/πとなります。

月の場合e=0.055となりますから
公転周期T=27.3日を用いると
月が地球の周りを半周するのにかかる日数の最小値は
公転周期の半分より約1日ほど短いことがわかります。

以上により、先日ブログに書いた内容は
ほぼ正しそうだと言えそうです。  

Posted by sak 改め Saxan. at 2013年11月18日10:01