月が半周する日数
中秋の名月の頃に書いたことに、
ちょっと確信を得られなかったことがあったので
求めてみることにしました。
それは、新月から満月までの時間が
朔望月29.53日の半分より
どれだけ短くなったり長くなったりするのかです。
朔望月については
以前のブログをご覧ください。
朔望月について考えるのは大変なので
今回は月が半周するのにかかる時間が
公転周期の半分に対してどれだけ
短くなったり長くなったりするのかを求めて
代用することにします。
(ここでの半周とは「一周の半分」という意味ではなく
「公転の中心となる星から見て正反対の位置に
来る」という意味であるとします)
先日の時計の例えで言うならば
時計の長針と短針が重なってから反対向きに
なるまでの時間を計算するのは大変なので
単純に時計の長針が半周する時間を求める
だけに留めるということです。
ここで、楕円について少し触れておきます。
楕円は「2点F
1,F
2からの距離の和が等しい点の集合」ですが
この2点F
1,F
2を「焦点」と呼び
公転の中心となる星は焦点のどちらか一方になります。
楕円には長軸ABと短軸CDがあり、
長軸の長さの半分を「長径」とか「平均半径」と呼びます。
楕円の中心から焦点までの距離の平均半径に対する割合、
つまり、OF
1÷OAを「離心率」と呼び、eで表します。
半周するのにかかる時間が最も短くなるのは
ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)から
月が点Eから点Gに移動する時間
つまり、上図1の色付きの部分であると言えます。
この面積が楕円の全面積に対して
どれだけの割合かを調べれば良いわけです。
細かな導出は省略しますが、
図2のように円を使って計算するとやりやすいです。
図2の色付きの部分と半円の面積の差を
近似すると2e/πとなります。
月の場合e=0.055となりますから
公転周期T=27.3日を用いると
月が地球の周りを半周するのにかかる日数の最小値は
公転周期の半分より約1日ほど短いことがわかります。
以上により、先日ブログに書いた内容は
ほぼ正しそうだと言えそうです。
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